奈良の東大寺は世界最大の木造建築と奈良の大仏

奈良東大寺

奈良公園の近くで多くの観光客を集めている寺院として東大寺があります。

東大寺は南都7大寺の1つであり、世界文化遺産「古都奈良の文化財」の構成要素の1つでもあります。

 

「古都奈良の文化財」は奈良市内の国宝を多く所蔵する神社仏閣を中心に構成、認定されているもので、東大寺にも多くの国宝があり、見所満載の寺院と言えるでしょう。

 

この東大寺は華厳宗の総本山ですが、華厳宗というのは、奈良時代の南都六宗の1つです。

南都六宗は、現在の仏教宗派とは少し異なり、信仰の宗派と言うよりも学問の流派と言った色合いの強いもので、これはお寺好きなら知っておきたい知識かも知れませんね。

 

さて、東大寺と言えば何と言っても世界最大級の木造建築の大仏殿と、その中に安置されている大仏様(廬舎那仏)のお姿でしょう。

残念ながらこの大仏殿は2度も焼失し、現在の建造物は江戸時代に再建されたもので、奈良時代に創建された建物よりも2回りほど小さくなってしまっています。

 

それでも大仏殿に入れは、大仏様の巨大さに圧倒され、往時の荘厳さを今も感じる事が出来るでしょう。

多くの観光客は、これも日本最大の山門である南大門をくぐり、仁王像二体の形相に感嘆し、大仏殿を拝観するのが定番のルートでしょう。

 

これは確かに最大の見所でしょうが、せっかく東大寺を訪れたなら、大仏殿の東側にあるお水取り(修二会)で有名な2月堂、さらに3月堂とも言われる法華堂や、鐘楼などがあるエリアもぜひ訪れてもらいたいものです。

2月堂は京都の清水寺と同じような造りで、このお堂から西側を見ると、多くの甍の向こうに大仏殿の大屋根を眺める事ができ、さらにその先には奈良の市街地を見渡す事ができ、お勧めのビュースポットの1つです。

 

またビュースポットと言えば、大仏殿を手前にある池越しに眺めるのも素晴らしく、お勧めです。

 

さらに、知る人ぞ知るビュースポットとしては、近鉄奈良駅から東大寺に向かう途中にある奈良県庁の屋上展望階からもお勧めです。

県庁内ですが、観光客にも開放されており、ここからは緑の中に東大寺大仏殿や興福寺の5重の塔が浮かび上がる様に見え、下から荘厳な建造物を眺めるのと違った趣があり、こちらもお勧めです。

 

最後にお寺好きの方なら知っておくべき東大寺大仏殿に纏わる雑学があります。

それは巨大な大仏殿を建造する前に、予行演習的にお堂を建てたと伝えられており、このお堂が現存するのです。

これは西大寺から西ノ京に向かう途中にある喜光寺の本堂で「試しの大仏殿」と呼ばれています。

 

余り知られていませんが、機会があれば西大寺から垂仁天皇陵を経てこの喜光寺で「試しの大仏殿」を拝観し、西ノ京の唐招提寺へとハイキングされると良いでしょう。

 

東大寺周辺のおすすめグルメ

かつて関西では、奈良に美味いものなしと言う言葉がありましたが、今はそんな事は無くお洒落なレストランや美味しい料理店も多数あります。

しかし奈良公園周辺の定番観光コースである興福寺、東大寺、春日大社を巡る途中で昼食を摂られるとなると、公園や寺院の境内が広大で、中々良いお店が少ないのが残念です。

 

そんな中でお勧めの食事処として春日大社一の鳥居近くにある料理旅館の江戸三をご紹介します。

ここは、奈良公園の中に小さな茅葺の家が離れの様に点在する料理旅館です。

 

料理もさることながら、その趣ある部屋で少しリッチな昼食を楽しまれると良いでしょう。

お勧めは、5000円余のまほろば会席 (お昼のミニ会席)で、事前予約されるのが安心です。

 

もちろん、東大寺周辺にも大衆的な食事処やレストランは多数ありますが、観光客で昼食時はどこも満員なので、時間をずらすなどされた方が良いでしょう。

 

東大寺周辺のおすすめ宿・ホテル

奈良ホテル

また東大寺や奈良公園周辺を訪れて宿泊されるなら、格式ある奈良ホテルに一度宿泊されてはいかがでしょうか。

このホテルは、奈良公園の高台に位置し、木造の立派な建物が目を引くホテルです。

 

日々の雑踏や都会の喧騒を忘れさせてくれ、館内にもノスタルジックな雰囲気が溢れるホテルです。

ハイクラスのホテルですが、自分へのご褒美として宿泊されるのも良いでしょう。

 

奈良市は観光客の割りにホテルが少ないと言われます。

関西を旅する場合、大阪や京都で宿泊し、奈良で宿泊する観光客は少ないのです。

 

それでも近鉄奈良駅やJR奈良駅周辺には修学旅行生を受け入れる様な観光ホテルもあれば、全国展開のビジネスホテルもあります。

京都や大阪では外国人観光客が増えてホテルが取れない事が多く、かえって奈良は穴場かもしれません。

 

東大寺まとめ

東大寺は、大仏殿を中心に多くの人が訪れた事のある寺院でしょう。

しかし、世界遺産である事を意識されている人は少ない様に思われます。

 

お寺好きなら大仏殿のみならず、じっくりと多くの伽藍を拝観し、境内の散策を楽しまれ、世界遺産の文化財を噛みしめて欲しいと思います。

大仏殿への道は観光客で溢れかえっていても、2月堂や法華堂のエリアには観光客は少なく、少しは古都奈良の古の雰囲気に接する事が出来るでしょう。