京都市左京区黒谷に金戒光明寺と言うお寺があります。
このお寺は、黒谷さんとして古くから信仰を集める寺院で、浄土宗の七大本山の1つです。
現在では、浄土宗の総本山は知恩院ですが、この金戒光明寺は念仏の教えを広めるために、法然上人が初めて草庵を営まれた所で、一般的には余り知られていませんが、浄土宗最初の寺院となった知恩院と並ぶ由緒あるお寺なのです。
この金戒光明寺は、東側が白川通り、南側は岡崎通りの1本北の道に面する位置にあります。
この寺院の東側は急な傾斜地になっており、寺院の伽藍のある境内から山に向かっての傾斜地には多くの墓が立ち並んでいます。
金戒光明寺の見所の1つは、豊臣秀頼により再興された、このお寺で最も古い建造物である阿弥陀堂です。
阿弥陀堂の中には、本尊の阿弥陀如来が安置されており、この本尊は恵心僧都最終の作で、 如来の腹中に一代彫刻の使用器具が納められており、「ノミおさめ如来」として知る人ぞ知る仏像です。
また西側の道路から高麗門をくぐり、北に曲がると立派な三門があり、そこには後小松天皇の「浄土真宗最初門」の勅額が掲げられています。
三門を通り、階段を上ると境内が広がり、阿弥陀堂の他に御影堂や大方丈が並んでいます。
境内の東側の少し山手には徳川秀忠の菩提を弔う為に建立された三重の塔があり、ここには運慶作と言われる文殊菩薩像が安置されています。
現在の寺域はそれほど大きくはなく、また京都に多数ある寺院の中でそれほど有名な寺院ではありませんが、桜の季節や紅葉の季節は非常に綺麗で、観光客が少ないだけ、ゆっくりと散策できるのが、お寺巡りが好きな人に取っては逆にありがたと言えるかも知れません。
また、この金戒光明寺には幕末の歴史が秘められた寺院でもあります。
幕末に会津藩主松平容保が京都守護職になって上洛した時、この金戒光明寺を本陣としたのです。
1日の散策コースとしては、銀閣寺から哲学の道を歩き、途中法然院などに立ち寄り、真如堂、金戒光明寺から平安神宮、永観堂、南禅寺辺りまで体力に合わせて北から南にお寺巡りを行うコースがお勧めです。
ちなみに、平安神宮を訪れられるなら、神苑を散策されるのがお勧めです。
桜の季節や紅葉の季節には、多くの趣の異なる観賞スポットを巡る事ができ、京都の奥深さを改めて感じる事が出来るでしょう。
金戒光明寺周辺のおすすめグルメ
金戒光明寺は京都市街地にあり、散策の途中で昼食をとられる場合、少し探せば和洋中と何でも好きなお店を見つける事が出来るでしょう。
しかし、せっかく京都を訪れられたのですから、洒落た京料理を味わいたいものです。
金戒光明寺周辺で京料理を楽しまれるなら、お勧めなのは、六盛の手桶弁当です。
六盛は岡崎にある平安神宮の西側で琵琶湖疎水の北側にある京料理で有名なお店です。
もちろん、夕食として本格的な懐石料理を楽しむ事で出来ますが、昼食としてなら手桶弁当が最適でお勧めです。
この手桶弁当は、人間国宝である中川清司氏作になる白木の桶の内側に塗りをほどこした美しい手桶に、四季折々の食材を使った京料理が色々な味付けで盛り込まれたものです。
色々な料理が少しづつ綺麗に盛り付けられた料理は、まさに女性に人気の料理です。
これに季節ごとに替わるご飯を楽しむ事ができ、3000円余で頂く事ができます。
もう少し豪華な食事とされるなら、この手桶弁当に色々な料理をプラスしたものを予算に合わせて楽しまれる事も可能です。
金戒光明寺周辺のおすすめ宿・ホテル
金戒光明寺は市街地の便利な場所にある為、宿泊される場合には、どこに宿を取られても問題はなく、様々な宿泊施設の中から、予算と好みに合わせて選ばれると良いでしょう。
しかし、金戒光明寺に近い岡崎周辺で宿を選ぶなら、あえて言えば、「ホテル平安の森」と「吉田山荘」などがお勧めです。
ホテル平安の森
「ホテル平安の森」は、比較的リーズナブルで、修学旅行生も利用する宿泊施設なので、小さなお子様連れでも気兼ねなく宿泊できるのが特徴と言えるでしょう。
吉田山荘
「吉田山荘」は元東伏見宮家の別邸であったものを料理旅館とされたもので、本館は昭和7年の建設当時の姿を残している桧造りのぬくもりある2階建ての建物です。
すべての部屋が庭園に面しており、京都らしい風情を感じる事が出来ます。
また、東山三十六峰の美し山々や街並みも見える景色は抜群です。
最近では、外国人観光客も多く、ご紹介した2つの宿泊施設を含め、どの宿泊施設も中々予約が取りにくい状態なので、早や目に予約される事が必要です。
金戒光明寺まとめ
京都の東山と言えば、清水寺から三年坂、2年坂を経て祇園界隈を散策されるのが定番コースですが、同じ東山の麓でも、今回紹介した銀閣寺から金戒光明寺を含む岡崎周辺の神社仏閣をゆっくりと散策されるコースもお勧めです。
清水や祇園界隈に比べると、観光客もすくなく、こうした散策コースをたどれば、また違った京都を感じる事が出来、京都の奥深さを改めて感じられる事でしょう。