京都の仁和寺は皇室ゆかりの「御室御所」

京都仁和寺

京都の仁和寺というお寺の名を一度は耳にしたことがあるかと思います。

そうです、平成6年にあのユネスコ世界遺産に登録された由緒ある名刹です。

 

仁和4年(西暦888年)に完成したこの寺は、宇多天皇から始まり代々皇室出身者が門跡を務め、平安から鎌倉期にかけては門跡寺院としては最高の格式を誇っていました。

出家後の天皇が住まいとしていたことから、仁和寺は別名御室御所(おむろごしょ)とも呼ばれていました。

 

しかし寺の隆盛はいつまでも続くことはなく、1467年にはじまった応仁の乱で殆どを焼失。

非運に見舞われた仁和寺は衰退の一途をたどります。

 

仁和寺が再興できたのは応仁の乱から160年後のことです。

当時の将軍である徳川家光公に再興申し入れをし、認められました。

後に御所から金堂や御影堂などの建造物も下賜され、1646年にはようやく伽藍も完成し、創建時の形に再建されたのです。

近世にも一度御殿の焼失は有ったものの、大正時代には再建しています。

 

現存する伽藍の殆どは重要文化財の指定を受けており、金堂においては唯一の国宝となっています。

宮殿建築のテイストを残した造りなので建造物に関心の有る方には、その魅力がお解りいただけることでしょう。

 

他にも白書院の襖絵、皇族門の透かし彫りなど随所に繊細な手仕事を感じる造りとなっています。

見忘れることなく、一つ一つ丁寧に観てまわってくださいね。

此処にしか無い本物が洗練された輝きを放っています。

 

明治維新以降は皇室出身者が門跡となることはなく、仁和寺は旧御室御所と称されるようになりました。

 

仁和寺は華道御室流の家元でも有ります。

宇多天皇を流祖として、仏様に献じる供花を生けたのがルーツとされており、仁和寺御室流も立花の型が大成されました。

貴族や上流階級のたしなみとされる華道が一般庶民に広まったのは江戸時代中期以降とされています。

 

今でも仁和寺御室流を伝授する華道家は沢山います。

生け花は、それほどポピュラーになったということですね。

 

さて、仁和寺の見どころの一つとして、春に咲く御室桜があります。

大正13年に名勝指定されたこの御室桜は、吉野の桜に比べ優るとも劣らないと言われており、毎年春には多くの花見客が訪れます。

 

通常は境内への入場は無料ですが、桜の季節に限り特別入山料が必要です。

お金を払ってでも観る価値は充分に有りますので、ぜひ春の仁和寺にもお出掛けくださいね。

京都駅からはバスで約30分、乗換え不要でラクチンお薦めのアクセスです。

 

仁和寺周辺のおすすめグルメ

この辺りのグルメですが、仁和寺のそばでランチするならカレーはいかがですか。

 

御室カレーなんてネーミングのメニューも有るのは、ファミリーキッチンPu(プウ)です。

豆腐カレーや骨無しチキンカレーなど、そのメニューは一見珍しそうですが、どれも美味しいカレーで好評です。

 

また近くには『むっしゅくれむ』というスイーツのお店が有ります。

ケーキにタルトにシュークリームなど、洋菓子の殆どを扱っていてテイクアウト用ですが、かなり人気です。

素朴な洋菓子らしい味が喜ばれていますよ。

 

仁和寺周辺のおすすめ宿・ホテル

仁和寺御室会館

仁和寺には宿坊も有るのをご存知でしたか。

境内の一角にありる仁和寺御室会館というのが、その宿坊です。

 

宿泊客には予約制ですが旬の食材を使用した京料理の会席もご用意出来ます。

また、お泊まりの方限定で仁和寺の朝のお勤めにも参拝できます。

 

ホテルハーヴェスト京都鷹峯

しょうざんリゾート京都に作られたホテルです。

リゾートホテルらしく、プライベート感を大切にした客室が嬉しいですね。

 

露天風呂付きの客室も有り、お風呂好きには最高です。

またエステサロンも完備しているので、女性に喜ばれる要素たっぷりですよ。

金閣寺や大徳寺へも行き易いので要チェックですね。

 

ペンション宇多野

仁和寺の並びに建つ小さなペンションは夫婦2人で経営しているアットホームな宿です。

 

此処を拠点にして、ぶらっと散歩するように仁和寺のほか金閣寺や龍安寺に拝観するのも良いですね。

 

ユーザーからは宿の食事が美味しいと好評です。

ボリュームもたっぷりの夕食はコース料理です。

宿泊予約の際に一緒に予約しておくと良いでしょう。

 

仁和寺まとめ

仁和寺とその周辺についてご紹介いたしました。

とても歴史有るお寺は市内の中心部からは離れているものの、見どころの沢山ある良いロケーションでしたね。

忙しい現代人の心の平穏を取り戻すべく、たまには名刹めぐりも良いのではないでしょうか。

 

春には美しい桜が咲き、夏の緑には心洗われるようです。

秋には紅葉が観られますし、冬の雪化粧した伽藍を観るのも趣があって良いものですよ。

ぜひ四季折々の自然の姿を見に行ってくださいね。

 

最後に一言アドバイスをしておきましょう。

この辺りは高尾へ続く山道の一部なのです。

若干のアップダウンもあるので、散策される方は歩きやすい靴を履かれることをお奨めいたします。

良い旅ができますように。