京都の三千院は、歌にも歌われた京都北部の大原の里にある天台宗のお寺です。
大原の里は山深い洛北に位置し、ここが京都市内かと思うような静かな山里の風情に満ち、観光客でごった返す東山界隈や嵯峨・嵐山界隈とは全く違った京都を楽しむ事ができるスポットです。
洛北大原の里へは、JR京都駅から京都バスで1時間ほどの大原バス停から小川に沿って、漬物店が並ぶ道を10分ほど歩いた所にあります。
大原の里の中心である三千院は、伝教大師最澄が比叡山の東堂に開いた一寺がその始まりとされており、その後場所を何カ所か移し、明治維新の頃にこの大原の里に移ったもので、実に1200年の歴史を引き継いだ寺院なのです。
歴史的建造物としては、宮中行事の御懺法講を行う為に建てられた宸殿、阿弥陀三尊像を祀った往生極楽院、朱雀門等が有名です。
阿弥陀三尊像を祀った多くの女性達の祈りが込められたお堂として信仰を集めています。
歴史的建造物や仏像なども素晴らしいものですが、境内の苔むす庭に安置された何体もの童地蔵さんが表情豊かに参拝客を迎えてくれ、心癒される事請け合いです。
こうした風情が三千院が若い女性にも人気の高いお寺である理由なのでしょう。
三千院に参拝された時には、写経をして奉納される事がお勧めです。
静寂の中で日頃の忙しさを忘れて写経に集中すれば、すがすがしい気持ちとなり、さらにリフレッシュできる事でしょう。
写経には、般若心経一巻を写経する事もできますが、1時間以上を要するため、20分ほどでできる四句十六文字の写経がお勧めです。
三千院は境内を取り囲む木々、苔むす庭といくつもの童地蔵さん、そして往生極楽院の小さなお堂の風景に最大の魅力があります。
この風景は四季折々に違った風情が楽しめ、新緑の頃や紅葉の頃はもちろんですが、雪が薄っすらと積もる頃も、非常に綺麗でお勧めです。
大原の里には、聖徳太子が創建し、建礼門院ゆかりのお寺である寂光院もあり、三千院と合わせて訪れられると良いでしょう。
寂光院はバス停から三千院とは反対に向かう必要がありますが、この道すがらに見える里の田圃と農家の風景は、京都の山里の風情を感じる事ができる風景です。
三千院周辺のおすすめグルメ
三千院周辺で食事されるなら、やはり京都らしさと山里の風情を楽しめる料理旅館「芹生」さんの三千草弁当がお勧めです。
昼食としては少し豪勢すぎるかも知れませんが、湯葉御膳や地元の山菜や魚菜を使った料理と季節のご飯が3段重ねのお重に入れられたものです。
もう少しリーズナブルで軽い食事を希望なら、三千院近くの呂川沿いにある「呂川茶屋」さんがお勧めです。
ここの名物は、かぼちゃ、しそ、にんじんを練り込んだ3色の手打ちうどんを、つけ出汁やとろろ汁で味わう京野菜うどんがお勧めです。
この店先では素朴な炭火焼ダンゴも販売されており、お茶請けとして楽しむのも良いでしょう。
三千院周辺のおすすめ宿・ホテル
洛北大原を訪問され、宿泊される場合には、大原の里では料理旅館や民宿が中心となります。
その代表としては、「大原温泉 湯元のお宿 民宿 大原山荘」や「大原温泉湯元 京の民宿 大原の里」や「お宿 三千院道」などがお勧めです。
大原山荘
「大原温泉 湯元のお宿 民宿 大原山荘」は隠れ家的でアットホームな雰囲気の温泉民宿です。
温泉に入ればお肌がしっとりとし、それでいて湯上りはさっぱりとした感じの温泉を楽しむ事が出来ます。
夕食は、自家製の味噌や自家栽培のお米と野菜を堪能できる京赤地鶏の味噌鍋プランなどを楽しむ事が出来ます。
大原の里
「大原温泉湯元 京の民宿 大原の里」も同様に自家製味噌を使った京赤地鶏の味噌鍋が名物です。
温泉は、森林に囲まれながらの五右衛門露天風呂が大人気のお宿です。
三千院道
「お宿 三千院道」は三千院まで徒歩5分の高台に有り、自然に恵まれた心休まるロケーションが売りのお宿です。
眺望の良い露天風呂が楽しめ、お食事も牛すき鍋や味噌鍋など充実のメニューから選択する事が可能です。
大原の里で宿を取られるなら、和風の宿となりますが、どうしてもベッドのホテルがお好みなら、市街地にある様々なホテルに宿泊されるのも1つの方法です。
最近では海外からの観光客の増加で、中々ホテルが取りにくくなっているため、早めの予約が必要でしょう。
三千院まとめ
三千院を中心とした大原の里は、観光客でごった返す市街地の有名なお寺に比べて観光客も少なく、行楽シーズンを外して平日などに訪れられると、山里の風情を堪能できるスポットです。
若い女性がこうした静かな山里のお寺を訪問される理由に納得される事でしょう。
木々に囲まれた苔むす庭、境内のお堂の調和の取れた風景の美しさに感動し、苔むす庭に小首をかしげて何体も安置された童地蔵さんに癒される事請け合いです。
洛北は積雪も多く、積雪状況には注意は必要ですが、薄っすらと雪が積もる季節に訪れれば、その静寂な雰囲気が増し、まるで墨絵の趣さえ感じる事ができるでしょう。
旅慣れた方ならこうしたシーズンに大原三千院を旅されるのも良いでしょう。