東京の寛永寺は江戸城の鬼門に位置する徳川家の菩提寺

東京寛永寺

寛永寺の紹介

寛永寺は天台宗の関東総本山にあたる寺院です。

この寺には、他の寺にはない大きな特徴があります。

それは、徳川将軍家と非常に関係が深い寺であることです。

どれだけ徳川将軍家と関係が深い寺か、それはこの寺に眠る徳川幕府将軍の数を数えれば分かります。

 

皆さんご存知のように、徳川幕府には15人の将軍がいますが、そのうち6人が、この寛永寺に眠っています。

神君家康公を祀る東照宮の本社である日光東照宮を除けば、これだけ徳川家に縁のある神社仏閣はないと言っても過言ではないでしょう。

 

それ以外にも、寛永寺にはもうひとつ大きな特徴があります。

それは、何度も戦災に見舞われて壊滅的な被害を受けたにも関わらず、その度に蘇ってきた、不死身の寺であることです。

 

寛永寺は1625年に創建された、わりと歴史の浅い寺でありますが、それでも2度、大きな戦災に見舞われています。

1度目は幕末に起こった上野戦争です。

上野戦争で、幕府側の残党が寛永寺に立てこもったことにより、寛永寺は戦場になりました。

 

この時、寛永寺にあった建物はほぼすべてが失われてしまいました。

その後、寛永寺はなんとか再建に成功しますが、1945年の東京大空襲で、再建した建物の大半が焼失してしまいます。

 

このように、寛永寺は2回も再建不可能なほどの大打撃を受けましたが、そのたびに立ち直ってきました。

やられてもやられても立ち直ってくる不死身の寺、それが、寛永寺のもうひとつの特徴なのです。

 

不死身の寺である寛永寺の見所、それは徳川家霊廟です。

この徳川家霊廟は、文字通り徳川幕府将軍が眠る神聖な場所で、寛永寺には将軍徳川吉宗を筆頭に、6人の将軍の霊廟があります。

 

ただし、この6人の将軍の霊廟をすべて見ることは出来ません。

現在一般の参拝者が見ることが出来るのは、5代将軍綱吉、8代将軍吉宗、13代将軍家定の3人の墓だけです。

それも、月に数回ある特別公開の日に限って見ることが出来ます。

 

この特別公開、定員が80人ほどなので、早めに郵送やFAXなどで予約しておかないと、いつまでたっても見ることが出来ません。

いつでも自由に見られるという性質の霊廟ではないので、参拝するならきちんと予約をしておきましょう。

 

それ以外にも、寛永寺には根本中堂や弁天堂など様々な建物があります。

どれも見学に値する立派な建物なので、霊廟見学のついでに見てみるといいでしょう。

 

寛永寺周辺のおすすめグルメ

寛永寺周辺でオススメのグルメスポットといえば、谷中ビアホールです。

 

ビアホールと言えば、ドイツを思い浮かべる人が多いですが、谷中ビアホールは、ドイツ風ではなく、和風のビアホールです。

下町の古民家を改装して作られたこのビアホールには、その辺の居酒屋にはない、独特の雰囲気が漂っています。

 

ビアホールなので、食べられるものはビール系列の飲み物と、つまみであるチーズやつまみ、枝豆などになりますが、お酒が飲める人なら、きっと満足できるでしょう。

お酒が飲める人は、谷中ビアホールで食事をするのが一番です。

 

ではお酒を飲めない人はどうするか、幸い寛永寺の近くにはペペルモコというフランス料理屋があります。

このペペルモコは、家庭的な雰囲気のする料理屋で、値段のわりに味がよくてコスパがよいです。

なのでお酒が飲めない人は、ペペルモコで食事を取るとよいでしょう。

 

寛永寺周辺のおすすめホテル

水月ホテル鴎外荘

寛永寺の近くにあってオススメ出来るホテルと言えば、水月ホテル鴎外荘以外ありません。

 

水月ホテル鴎外荘は、文豪である森鴎外にゆかりがあることを売りにしているホテルです。

なので、このホテルには森鴎外に関係する碑や門などがあります。

森鴎外好きなら、それらのものに目を惹かれることでしょう。

 

森鴎外に興味がない方にとっても、このホテルは宿泊する価値があります。

なぜならこのホテルには、東京都のホテルには珍しい温泉があるからです。

ホテル内に檜の湯、福の湯という2種類の風呂があり、それぞれに個性があります。

 

檜の湯は文字通り檜で作られたお風呂で、重炭酸ソーダの黒湯温泉です。

福の湯はすべてが大理石で作られたお風呂で、石作りの風呂ならではの迫力があります。

どちらもよいお風呂なので、ホテルに泊まるなら、入りくらべをしてみるとよいでしょう。

 

温泉と森鴎外にゆかりがあることが売りである、水月ホテル鴎外荘の宿泊費は、8千円から1万円ほどになります。

天然の温泉が湧いていることを考えると、わりとリーズナブルな値段で泊まれるホテルだと言えるでしょう。

 

寛永寺まとめ

寛永寺は、徳川将軍家と切っても切れないほど、強い縁があるお寺です。

 

徳川幕府歴代将軍のうち、半数近くの将軍が、この寺に埋葬されているのは伊達ではありません。

建物などは上野戦争と東京大空襲の結果、大半が失われてしまいましたが、寛永寺のキモともいえる徳川将軍家の霊廟はいまだその姿を残しています。

 

限定公開ではありますが、予約さえとっておけば一般の参拝者でも将軍家の霊廟を見ることが出来るので、寛永寺に来たなら、一度は将軍家の霊廟を見ておくことをオススメします。