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浄土宗 誓願寺は、創建は飛鳥時代にまで遡る由緒あるお寺で、天智天皇の勅願により建てられました。
浄土宗西山深草派の総本山でもあり、女人往生の寺ともされていて歴史上の女性が沢山訪れたことでも知られています。
代表的な人が、才女として知られている清少納言です。
こちらの寺で髪の毛を剃り落とし尼僧になって最後はこちらで往生しているのです。
百人一首でも出てくる和泉式部も娘に先立たれてしまった悲しみから、こちらにお詣りし四十八日間参籠し念仏三昧に入ったそうです。
その後、この寺で出家して往生されたようです。
悲しみを乗り越えるために、忘れるためこのお寺に足を運ぶ女性は本当に多かったのです。
当時は、仏教に対する信仰が強くそれも一部の人間ではなくほとんどの人がそうだったのです。
悲しみを念仏で乗り越えるというやり方が当時はされていたようで、お寺は現代以上にそんな人たちの拠り所だったようです。
本尊仏の阿弥陀如来像は、1300年前に天皇の命で彫られたもので、この像を安置しているのが誓願寺ですが、創建からは度重なる火災にあっていて、その度に信者達の力によって復興しています。
古来からの信仰が寺を支えています。
残念ながら、その火災により境内に塔頭寺院が18ヵ寺、三重塔が焼失してしまいました。
また明治時代には歓楽街を造るために敷地も縮小されて現在の形になりました。
今のように携帯のなかった時代には、待ち合わせをするのも大変ですれ違ってしまったり会えない事は沢山ありました。
誓願寺では、山門の外にある石柱に迷子のみちしるべがあって、右側には教しゆる方、左側にはさがす方と彫ってあります。
紙をこの石柱に貼り、人探しや落とし物探しをしていた名残なんだそうです。
人々の苦しみを救いまた日々の生活にも密着して手助けしていた事が分かりますね。
現代では、芸道上達のご利益があるという事で知られています。
芸能人も沢山の人が訪れているようです。
更には、コンサートや映画まで上映する事があるそうですよ。
何とも、形にとらわれない素敵なお寺ですよね。
本堂の前には、一言観音菩薩が祀られていて、何でも一言願いを唱えると叶うと言われています。
のぼりが沢山奉納されています。
芸道上達祈願には、扇が奉納されます。
いかにも芸のご利益がありそうな、扇塚なので是非お参りしておきましょう。
誓願寺周辺のおススメグルメ
丁子屋 静岡
慶長元年創業で、400年変わらない味のとろろ汁を味わえるお店です。
藁ぶき屋根の大変風情のある建物で、とにかく雰囲気が楽しめます。
一食我慢してから行った方が良いという評判もあるくらい美味しい粘りの強いとろろ汁は麦飯にかけて頂きます。
江戸時代から変わらない製法で、自家製みそと自家製削り節で作ったとろろは絶品です。
一品料理も沢山あり、お酒を飲みながらゆっくりとろろ定食を待っている人も多いそうですよ。
くまさん牧場
新鮮な素材をその日のうちに提供したいという店長の考えから酪農家が造った搾りたてのアイスが頂けます。
牛乳の味を大切にしたジャージミルクアイスクリームはイチオシで名前だけでも美味しそうです。
シャーベットなども売っていますが着色などしていないので淡い色のアイスがまた優しいお味で嬉しいですよ。
誓願寺周辺のおススメのお宿
湯心の宿 旅館いちかわ
こちらの旅館では、源泉かけ流しの露天風呂が楽しめます。
こちらの温泉である梅ヶ島温泉が武士たちの湯治場として栄えた頃からの古い歴史を持っています。
打撲、捻挫、疲労回復、リウマチから婦人病など多くの効能があり美人の湯とも知られているのが女性には嬉しいですよね。
トロトロの濃い温泉が美肌に導いてくれます。
全て女将が作る自家製ならではの自然派創作会席もお楽しみの一つです。
四季折々の季節を楽しめるお料理は目でも楽しめるように美しい地元にこだわった食材を使っています。
旅館の方々の心遣いが随所に現れたお宿で、とても気持ちの良い接客とお人柄というのが評判です。
純和風のお部屋は14部屋夜には川のせせらぎと鳥の声など自然あふれる音を聴きながら眠ることが出来ます。
新館和室には、ベッドルームもあるので年齢や体質によって色々選べて助かります。
朝食は、身体に嬉しい和食の定食で、山葵漬は地元の農家さんから仕入れている絶品の味です。
元気になって、自宅に戻れるそんな温泉旅館です。
誓願寺まとめ
古い歴史のある浄土宗 誓願寺は、沢山の人の苦しみ悩みを救ってこられたお寺です。
何度焼失しても尚復元されるのは、やはり皆さんの心にきちんと根付いて信仰されているおかげだと思います。
第55世の住職である安楽庵策伝上人が、僧侶、茶人、文人、咄家などの芸事に優れ落語の元祖とも呼ばれているために芸道上達のお寺として知られるようになりました。
特に、笑話集である醒睡笑は、落語の教本とも呼ばれています。
凄い方がご住職だったんですね。
そんな歴史を思いながら、もしも辛い事があったりお願い事がある時には足を運んでみてはいかがでしょうか。