極楽寺という名前を聞かれたことはありますか。
現在、日本国じゅうで極楽寺と称されるお寺は40ヶ所以上あります。
そして海外にも極楽寺と名のつくお寺が、台湾・中国・マレーシアにも有るようです。
極楽浄土へのお導きを祈念して名付けられるのでしょうか、ほかに類をみないほど同名称が多いですね。
さて、そんな極楽寺でも今からご紹介するのは、大阪府の南部に位置する河内長野市にある極楽寺です。
ここは正式には錦渓山 極楽寺と呼ばれ、宗派は融通念仏宗です。
融通念仏宗というのは、古く平安時代の後期に比叡山の良忍という僧が創めた念仏宗教で日本十三宗の一つです。
その教えは、念仏を唱えることで得た功徳は自分のものにとどまらず、他人にも功徳をもたらし、また他人の功徳は自分の功徳にも成り得るというものです。
相互の功徳を融通し合うことから融通念仏宗と呼ぶそうです。
その総本山は大阪市内平野区にある大念佛寺なのですが、極楽寺は中本山にあたります。
今ではポピュラーな浄土宗や浄土真宗が広まったのは鎌倉時代ですから、融通念仏宗はそれらよりも古く歴史のある宗派ということになりますね。
ちなみに、融通念仏宗は浄土系のなかで最も初期に開かれた宗派なのですよ。
河内長野というエリアは平安の昔から高野山に通じる道も整っていたとされ、極楽寺以外にも多くの寺が点在しています。
それぞれの寺には創建の意味があるのですが、ここ極楽寺も元はといえば聖徳太子が推古天皇の病気平癒を願って薬師如来を御本尊としてお祀りしたのが始まりとされています。
寺の勢いは一旦廃れたものの、1321年に法明上人により融通念仏宗の寺として再興されました。
近年、本堂と鐘楼の間の高台に大仏が建立されました。
大仏殿のような囲いはなく、青空のもとに鎮座し地元の人たちからは河内の大仏さんとして親しまれています。
近鉄電車の車内からも見える河内大仏は、鎌倉の大仏ほど大きくはありませんが、それでも間近に観ると有難い存在感があり、思わず手を合わせてしまいます。
極楽寺には、春には美しい桜が咲くのですが、なかでも地元で注目されているのが『ど根性桜』です。
お寺のコンクリート壁の間から幹を延ばし、横向きに育った桜が満開の花を咲かせます。
これは見事な景色ですよ。
どれほどの昔から植わっている桜か不明ですが、その生命力は凄いものですね。
春先、訪れるタイミングが良ければ、この桜を目にすることが出来るでしょう。
極楽寺は河内長野駅から徒歩でも10分足らずの所にあります。
特に歩道は設けられていないので、自動車に気をつけて参拝してくださいね。
極楽寺参拝の際に立ち寄れそうなグルメスポット
南喜久
河内長野駅下車で徒歩5分程度の商店街の外れにあるお店です。
お店の前には寿司の提灯があり、メインは魚料理と寿司ですね。
お昼時には満席になるほど地元では人気のお店です。
ランチはリーズナブルな価格なので極楽寺参拝の後にぜひ立ち寄ってみてください。
ビーネン ノバティながの店
洋菓子・ケーキのお店です。
近隣の駅にも同店があり、地元では比較的有名なお店なので参拝のあとにお茶とスイーツでほっこりするのも良いですね。
極楽寺周辺のおすすめ宿・ホテル
憩いの宿 河内長野荘
宿の情報によると、ここは推古天皇の時代から温泉が湧き出ていたとか。
したがって、天然温泉です。
駅からも近く、お料理の種類も充実しています。
宿泊はもちろんのことですが、デイユースも出来るので、お食事と温泉を楽しんで帰られるお客様も多いようです。
南天苑
極楽寺から車で約30分弱のところにあるハイクラスな宿です。
大正時代の趣あふれる造りは、あの名建築家 辰野金吾氏によるものです。
お風呂は天然温泉(天見温泉)100%で共同利用の浴場の他に露天風呂つきの客室もあります。
お料理は季節の旬菜を取り入れた会席料理のほか、但馬牛のすき焼きや、牡丹鍋のコースなど各種鍋料理にも対応しています。
大阪に居ながらにして非日常感を得られるのは嬉しいですね。
金剛山 香楠荘
ここは金剛山ロープウェイで上る、山の上にある宿です。
四季折々に金剛山の姿を楽しみながら、ゆったりと旅の気分を満喫できますよ。
お料理は会席の他に、好き焼鍋や鴨鍋のご用意も出来ますので、ご予約時にお確かめくださいね。
冬には雪遊びも出来る山です。
女子会のグループ旅行などに楽しめることでしょう。
極楽寺まとめ
河内長野の極楽寺とその周辺についてご紹介いたしました。
河内長野エリアは電車も私鉄2社が乗り入れていて、大阪市内からも40分程度で行かれるアクセス良いところです。
周辺には烏帽子形城という史跡や、楠木正成の首塚がある観心寺、金剛寺などもあり、自動車での移動なら更に見どころの範囲も広がりますね。
山の自然を楽しみながらお寺巡りをして、温泉付きの宿に泊まる旅の計画をされてみてはいかがでしょうか。