民衆に親しまれた水を守護する龍神を祀る善寳寺

山形善寳寺

善寳寺のご紹介

個人、団体といずれの場合にも駐車料金は無料。

しかも境内の拝観は自由に行えるという曹洞宗善寳寺(ぜんぽうじ)は、そのスタンスからも万人を受け入れる様子が窺えます。

 

ただし、そういったお寺の気持ちを尊重すべく、然るべきマナーを保ちつつ拝観を行うよう心掛けましょう。

建物などに無断で入り込むのはタブーです。

 

善寳寺のご本尊は薬師如来。

二龍神が池に身を隠したという伝説が残されているのですが、厳かな雰囲気の中を進み歩くとその伝説が実話であるような気持にさえなってきます。

 

二龍神というのは、竜宮竜道大竜王と戒道大竜女のこと。

この二龍伸がお寺の名前を授かった後に、境内にある貝喰みの池 (かいばみのいけ)に身を隠したということから海の守護、龍神信仰の寺としてその名を広めました。

 

いまでも広大な海を仕事の場とする人たちはお参りを欠かさないといいます。

水難を警戒する人には重要な参拝となるでしょう。

 

1100年の歴史を誇る善寳寺の見どころをご紹介します。

山門

国指定の有形文化財。

再建されたものではありますが、総欅造りで銅板葺きが印象的で重厚な二重門です。

毘沙門天と韋駄尊天が双方からお守りするように配置されています。

彫り物の美しさが見逃せません。

 

五重の塔

明治26年と比較的新しい建築物である五重の塔は漁業関係者たっての願いを聞き入れ、魚鱗一切の供養のために建立されました。

四季折々の美しさを愛でる楽しみのあるスポットです。

 

内部には十二神将が彫刻されているので、自分の干支を見つけてみましょう。

自分の干支の方角から手を合わせるのが良しとされています。

 

貝喰の池

二龍伸が身を隠したという伝説が残る池ですが、現在は人面魚のいる池として知られるようになりました。

この人面魚は、龍神様のメッセンジャーであるとも言われているので、是非とも出会いたいものです。

本堂からは少し離れていますが、散策がてら足を延ばしてみましょう。

 

ここでは家内安全、身体堅固(健康)、社運隆盛、職務満足、厄難消除、交通安全、当病平癒(患っている病気の完治)、良縁満足、五穀成熟、海上安全など幅広く祈祷しています。

 

祈祷は年中無休で1日6回行われていて、お札をいただきます。

また、足を直接運べない人のための受付も行っていて、祈祷後にお札を郵送してくれる心配りが歓迎されています。

 

年間を通して、初詣、豆まき、花祭り、お炊き上げ祭り、餅つきなどをはじめとするたくさんの行事が行われていることもあり、人々の拠り所となるお寺なのです。

 

善寳寺周辺の美味しいお店

特に人気なのが、羽黒のそば蔵金沢屋。

酒蔵の古材を利用して造った建物からは美味しい蕎麦を食べられそうな雰囲気が溢れています。

 

十割蕎麦の他に、鶴岡名物である麦きりが楽しめます。

つるつるの食感が癖になるお味。

 

知憩軒(チイコイケン)は、必ず予約必須のお店です。

畑の真ん中にあるお店なので、ナビがないと大変かもしれません。

提供してくれるのはお野菜たっぷりのお食事です。

 

まるでおばあちゃんの家でご馳走になるような寛げる場所。

冬になると囲炉裏が活躍します。

 

休憩だけでOKという人には、フルーツコーディネイト 青森屋 with おやつやがオススメ。

1階はお持ち帰り専用エリアですが、2階がカフェになっています。

 

トッピングが鮮やかなフルーツタルトがイチオシですが、もっと軽めのものがいいならフルーツジュースがいいでしょう。

フルーツそのものの味がする逸品です。

 

善寳寺周辺のおすすめ宿・ホテル

善寳寺の宿坊

宿泊は、参籠祈祷を申し込むと善寳寺で宿坊体験ができます。

1泊2食付で10000円程度。

 

精進料理をいただき、御祈祷と坐禅体験が含まれています。

お札やお神酒も宿泊料の中に含まれているので、お得な気がしますね。

 

チェックイン16:00、チェックアウト9:00と限られた時間ではありますが、現実の社会とは隔離されたところで心を無にする体験は格別です。

 

萬国屋

一般的なホテルでの滞在を望むならば、創業参百四十七年の五つ星の宿萬国屋。

 

純和風旅館で、露天風呂が素晴らしいお宿です。

庄内地域は海の物も山の物も、そして川のものも美味しく頂ける贅沢なエリアなのですが、その豊かな食材をふんだんに使用したお食事は、滞在の目玉のひとつ。

全室に檜風呂が設けられている点も魅力です。

ただし、お料理控えめプランを選ぶと宿泊料金も控えめに。1万円台からの宿泊費となるのが嬉しいですね。

 

手造り出来たて料理を朝夕個室で楽しむ宿、湯田川温泉九兵衛旅館はプライバシー重視のお宿なので気楽です。

キッチンで作った美味しい料理をそのまま個室へと運んでくれるので、自分たちのペースでのんびりと楽しめます。

 

ポイントはチェックイン14:00、チェックアウト11:00と滞在時間が長めな点。

全13室の小さなお宿ですが、気遣い豊かな点がそこかしこに見受けられます。

 

善寳寺まとめ

善寳寺は庄内空港から車で15分程度の距離ですから、都心からも便の良いお寺さんといえます。

 

また、出羽三山を愛で、庄内温泉郷で汗を流し、自然の恵みが齎すご馳走を堪能するには最高の場所。

善寳寺は確かに見どころの多い場所ではありますが、他の楽しみを予定に組込んでおかないと後悔してしまうかもしれません。

 

それだけ清らかな空気が漂い、後ろ髪を引かれてしまう場所なのです。

可能であれば宿泊を確保して、気の向くままに過ごしてみてはいかがでしょうか。