奈良の長谷寺は、大昔から信仰されてきた古く大きなお寺です。
ここは何と言ってもそのスケール感が特徴です。
山全体がお寺と言っても過言ではなく、そこで味わえるたくさんの感動は奈良のお寺の中でもトップクラスです。
最寄駅は近鉄の「長谷寺」です。
そこから20分ほど歩きますが、参道に入るとたくさんのお宿やお土産屋さん、食堂が並んでおり、いかに昔から参拝客がここを歩いていたかをしのぶことができます。
大きな石段を上がっていよいよ境内に入ると、目の前に有名な登廊が現れます。
天井には優美な灯籠がつるされ、思わず写真を撮ってしまいたくなる、風情ある光景です。
この登廊はとても長く、途中では息が切れてしまいそうになります。
しかしお年寄りの参拝者もゆっくりゆっくり上っています。
焦りは禁物、周りの自然を眺めながら進みましょう。
長谷寺は「花の寺」としても有名です。
春は桜、秋は紅葉が有名ですが、それ以上に5月ごろの牡丹が素晴らしいです。
6月にはアジサイが咲き乱れ、山のしっとりとした空気の中で圧巻の風景を見ることができますよ。
登廊の左右には、そのような季節の花々が植えられています。
ぜひゆっくり上ってみてくださいね。
そのような優しい気持ちで階段を進み、本堂にたどり着いたら、今度は勇壮で巨大な伽藍に驚くことでしょう。
長谷寺の本堂は山の中腹の断崖絶壁にかけ作りされており、その前面の舞台に立つといままで登ってきた参道を見下ろすことができます。
その高さと山のスケールには、驚きの声が出てしまいます。
そして、目の前に折り重なるようにして広がる山々・・・紅葉の時期にはその山がすべて赤く染まり、視界をいっぱいに埋め尽くします。
また本堂の中の十一面観音菩薩さまにも驚くこと間違いなしです。
お堂の天井を突き破るかのように立つこの仏像は、10mの高さを誇る国内最大級の木彫り観音さま。
通常拝観時にはこの観音様の上半身を外から拝むことになりますが、もし訪れた時期に特別参拝をしていたらラッキーです。
お堂の中に入り込んで観音さまの足元まで進むことができるのです。
10mも上にある観音さまのお顔を、薄暗いお堂の中で見上げるという体験はなかなかすることができませんよ!
本堂参拝の後は、美しい五重塔に向かって順路を進むことになります。
この道も四季折々の自然に溢れており素晴らしく、境内を一回りして下りてくるときっと今まで味わったことのない満足感を感じることができるでしょう。
長谷寺は西国三十三所の札所でもあり、今でも信仰されている生きた仏教の残るお寺です。
山の空気と一緒に日本の文化の素晴らしさにも出会うことができますよ。
長谷寺周辺のおすすめグルメ
長谷寺の草餅
長谷寺に行った際に必ず食べて欲しいのが、名物の草餅です!
参道を歩いているとたくさんのお店の店頭から、美味しそうな湯気が立っていることと思います。
ぜひフラフラとその湯気に吸い寄せられてしまってください。
この草餅は小さいですが、持つとしっかりした重みがあります。
粒あんがぎっしり入っており、焼くことで表面に香ばしい香りと焼き色が付いています。
食べ歩きがおすすめですが、冷えても美味しいためお土産にもおすすめです。
お店はたくさんあるので、比べてみてもいいですね。
また長谷寺は、そうめんで有名な桜井市にあります。
もし参道でランチを食べるなら、そうめん定食を食べてみましょう。
桜井で作られる三輪そうめんは、その細さとノド超しには定評のある奈良の名物です。
三輪そうめんは本当に美味しいので、気に入ったらぜひ乾麺を買って帰ってくださいね。
どこのお土産屋さんでも小分けにしたサイズが売っていますよ。
長谷寺周辺のおすすめ宿・ホテル
湯元 井谷屋
長谷寺は平安時代の昔から参拝客を多く受け入れてきた場所です。
そのため小さなお宿がたくさんあります。
中でもおすすめは創業150年の「井谷屋」さん。参道にあるのでアクセスも最高です。
小さなお宿ですが、奈良では珍しい天然温泉があることが自慢です。
歩き疲れた日に入る温泉は最高ですよね。
また季節の山の食材を使った会席料理もおすすめポイント。
奈良には海はありませんが、素朴で地の味がしっかりした山の食材があります。
温泉に入った後はゆっくりと食事を楽しんでみてくださいね。
都会の喧騒から離れた充実の時間を過ごすことができるでしょう。
またこのお宿は、長谷寺まで徒歩10分という最高のロケーションです。
朝早く起きることができたら、長谷寺の朝のお勤めを見に散策をすることなども可能ですよ。
長谷寺は時間によってその姿を変えます。
夕暮れも素晴らしいですが、早朝もとても美しいですよ。
長谷寺まとめ
長谷寺は古くからたくさん歌にも詠まれている、美しいお寺です。
文学の舞台にもなっているので、境内にある歌碑を探したり小説を片手に歩いたりと、好奇心を満たしながら歩くこともできます。
そして帰るころには、古くから愛されてきたわけが分かるようになっていることでしょう。
見て知って、食べて泊まってとフル活動が可能な長谷寺。
一度はじっくり楽しみに行ってみたいですね!