山梨の久遠寺は日蓮聖人が晩年を過ごした法華経の聖地

山梨久遠寺

久遠寺の紹介

久遠寺は山梨県巨摩郡身延町にある日蓮宗の寺院です。

広い境内には日蓮の聖地であり見どころが多くなっています。

是非足を運んでみましょう。

 

身延山は3000m級の山々がつらなる明石山脈と、富士山の間にある身延山地東側に位置する山で、この山のふもとに久遠寺が建てられています。

 

久遠寺は文永11年(1274年)、甲斐国地頭だった南部実長が草庵を構えて、日蓮を招き入れたことに始まります。

1281年(弘安4年)になり、日蓮によって身延山妙法華院久遠寺と命名されました。

 

日蓮は身延山上で、常時40~60人の僧や信徒と共に居住し、身延山をインドの聖地霊鷲山に見立てて信仰の礎を築きました。

その様子は日蓮遺文という文書に記されています。

 

現在も久遠寺には、日蓮の遺骨が安置されて、日蓮宗でもっとも重要な聖地と認識されています。

 

江戸後期と明治8年に大火によって伽藍を消失しますが、復興されて現在のような立派な建物が並ぶ寺院となりました。

波木井川のそばの県道804号線と身延道の交差点は、久遠寺入口交差点です。

 

江戸時代前期に建てられた黒い惣門を抜けると、久遠寺前まで門前町が続いています。

門前町を抜けた先にある三門は、日本三大門ともいわれるもので、鎌倉時代の運慶作ともいわれる仁王像などが置かれています。

 

奥の本堂までは長い坂道の参道が続きます。

参道の両側には杉の木の巨木が建ち並んで、おごそかな雰囲気に満たされています。

途中から参道は傾斜角40度はあろうかという急激な長い石階段に変わります。

 

これを抜けると本堂のある平地に出ますが、緩やかなスロープの道を歩いたり、車で上まで上がってくることも可能です。

 

広い境内では巨大で豪華な建物が立ち並ぶ姿に圧倒されます。

祖師堂は日蓮の神霊を祀っている堂閣で、別名を棲神閣といいます。

江戸にあった寺院のお堂を、明治14年になりこの地に移築した建物です。

 

本尊の三宝尊(仏・法・僧)を祀っている本堂は立派な大きさのものですが、これは1985年に完成した建物であり、五重塔は大成建設施行で2008年に完成した塔です。

 

久遠寺本堂の北の森のなかには、身延山の山頂へと向かうロープウェイがあります、

身延山の山頂駅につくと、そこは日蓮が過ごした聖域であり、奥の院思親閣が建っています。

 

境内には僧侶が住む無数の塔頭寺院(脇寺)が置かれていることも特徴であり、その中には宿坊といって、一般人が宿泊できる施設も20カ所もみられ、精進料理を味わえます。

 

見どころの一つが、樹齢400年といわれる枝垂桜です。久遠寺の桜は、毎年3月下旬から4月上旬にかけて数百本も咲き乱れますが、とくに枝垂れ桜を見ようと人がごった返します。

境内はマイナスイオンがいっぱいに感じられて、訪れたら元気を得られる場所になるでしょう。

 

久遠寺周辺のおすすめグルメ

久遠寺の門前町は、昔からこの地で続くお店がいくつも並んでいて活気があります。

久遠寺のグルメスポットを訪ねてみましょう。

 

甘養亭は、身延山名物のみのぶまんじゅうを扱っているお店です。

久遠寺の三門のそばにあって、蔵造りの建物が特徴的です。

身延まんじゅうはゆず味など多種あり、羊羹、モナカ、パイなどにも注目です。

 

平多屋は門前町の交差点にある、身延特産のゆば料理をあつかっているお店です。

普段は食べる機会もめったにないゆば定食、ゆばソバ、ゆばうどんを味わってみませんか。

 

港屋食堂は三門の近くにある小さな食堂です。

身延名物のほうとうをメインとして提供しており、そのほか山菜おろしそば、桜おろしそばなどそばも味わえます。

 

久遠寺周辺のおすすめホテル

久遠寺の門前町のあたりの宿泊施設をご紹介します。

せっかくなので久遠寺の宿坊を利用してみても良いでしょう。

 

山本坊

山本坊は久遠寺の三門が見える場所にある、数百年前からの歴史ある宿坊です。

 

山本坊では住職が出迎えてくれ、本堂の読経にも参加することができます。

客室は和室で落ち着いた雰囲気のなかで過ごせます。

季節ごとの野菜を中心とした精進料理ですが、メニューは色とりどりで健康食となっているのが特徴です。

 

志摩房

身延山宿坊 志摩房は、建治元年(1275年)に創建されたという700年以上の歴史のあるお寺です。

ちょうど山本坊とは向か合うようにして建っています。

 

宿泊は本堂を兼ねた和室の客室となっています。

庭には池と橋とつつじのある、美しい庭園が見られます。

 

お料理は四季折々の精進料理、手作りこんにゃくも人気です。

 

田中屋旅館

田中屋旅館は久遠寺三門そばにある、昭和の雰囲気を色濃く残す和風建築の旅館です。

 

身延山の山々が見える和室でストレスのない時間を過ごせるでしょう。

お風呂はラジウムのお湯を使用しており、リュウマチや神経痛に効果があります。

この付近の旅館ではかなり広めのお風呂となっています。

 

お食事は畳の部屋の椅子席で、地元身延の名物ゆば料理やほうとうが味わえます。

 

久遠寺まとめ

身延山の久遠寺は、山梨県の身延山地のなかに位置する、日蓮が開基した日蓮宗の聖地でした。

 

境内は本堂のあるあたりから、ロープウェイで登った身延山の山頂までも。

見応えある伽藍と出会うことができて、自然と寺院の素晴らしさによって力も湧いてくること間違い無しです。

 

身延のおすすめグルメといえばゆば、ほうとう、精進料理です。

これらの料理を楽しむなら商店街のお店を利用するほか、宿坊や旅館に宿泊してゆっくりしてみたいですね。